あらすじ
結婚七周年の記念日。
園田理穂は三ヶ月かけて用意したプレゼントを手に、夫とディナーを過ごすつもりだった。
しかし、夫からの返信は「急な会食が入った。行けない」という氷のように冷たい一文だけ。
失意の中、息子の好きなケーキを買おうとデパートへ向かった理穂は、信じられない光景を目にする。
夫と息子、そして見知らぬ美しい女性が、まるで完璧な家族のように笑い合っていたのだ。
「詩織お姉ちゃんありがとう!ママより優しい!」
息子が無邪気に笑い、夫は理穂には一度も見せたことのない寛容な眼差しを向けている。
東大博士課程というキャリアを捨て、この家のために尽くしてきた七年間が完全に否定された瞬間だった。
さらに、夫が家に置いた最新のAIロボットには、理穂を嘲笑し侮辱するための彼の音声が意図的に仕込まれていたことが発覚する。
この家は彼女の居場所ではなく、ただの夫の支配欲を満たすショーケースに過ぎなかった。
尽くしてきた家族に裏切られ、なぜ自分だけがこんな屈辱と精神的虐待を受け続けなければならないのか。
すべての苦痛が頂点に達した時、理穂の心から悲しみが消え、氷のような怒りへと変わった。
彼女は結婚指輪を窓の外へ投げ捨て、一切の未練を断ち切って家を出る。
「私離婚したい」
親友の敏腕弁護士と共に、彼女は自らの尊厳を取り戻すための反撃を静かに開始した。
章一覧
全80章
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