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ドラレコに残った喘ぎ声

ドラレコに残った喘ぎ声

  • 全9章
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あらすじ

結婚式前夜、婚約者の車でドライブレコーダーに触れた。

スピーカーから漏れる、男の荒い吐息。画面を埋め尽くす、彼の剥き出しの背中。

頰が熱くなる。

スリルを好む私たちは、車内で愛を確かめ合うことも少なくなかった。不意に突きつけられた「情事の記録」に、ただ羞恥を覚えた。

だが、次の瞬間。全身の血が凍りついた。

知らない女の声が、静寂を切り裂く。

「ねえ、あのバカな女といつまで続けるの? 私、もう妊娠してるのよ」

男の、聞き慣れた甘い声が追従する。

「式が終わるまでさ。財産をすべて奪い取ったら、すぐに捨てる」

「あの女のマンションも、もう俺の名義だ。そこが俺たちの新居になるんだよ」

激しく重なり合う肉体。男の腕の中に隠れていた女の顔が、露わになる。

私の親友。

二人は指を絡ませ、愛を誓い合っていた。その薬指には、私が選んだペアリング。

画面右上のタイムスタンプ。——一昨日の夜。

章一覧

全9章

  1. 第1章第1章
  2. 第2章第2章
  3. 第3章第3章

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