あらすじ
その男が盛大な祝賀会を開いた夜、彼は私の手を固く握り締め、こう囁いた。「君こそが僕の命だ」と。
……たとえ私たちが、すでに他人同士に戻っていたとしても。
彼は満場のゲストを前に、あの命懸けの決断に悔いはないと高らかに宣言する。「愛する妻が巻き込まれていたのだから」と。
だが、残酷な真実は違う。戦場であの時、彼が救おうとしたのは私ではない。——彼の愛人だったのだ。
ついに輝かしい未来を手に入れた——そう確信し、彼が胸を張ったその瞬間。授与された軍功勲章に刻まれていたのは、彼の名ではなく、私の名前だった。
私は檀上から呆然とする彼を見下ろし、無数のフラッシュの中で堂々と告げた。
「人質交換という極限状態で、ただ愛人の安否だけを優先する平和維持軍人……。それは、この神聖な職業への冒涜に他なりません」
章一覧
全21章
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