あらすじ
私の結婚式は, 今日で六十六回目のキャンセルを迎えた.
そして今回も, 原因はあの女だった.
誓いのキスの直前, 千結が嘘のアレルギー発作で倒れると, 婚約者の直哉は迷わず私を祭壇に置き去りにした.
「アレルギーは命に関わるんだ! 」
そう怒鳴って去った彼は, 私のために克服したはずの「高所恐怖症」を, 実は千結との観覧車デートでとっくに克服していたのだ.
しかも, 私に「二度と外さない」と誓わせたペアの鍵のネックレスは, いつの間にか千結の首元で揺れていた.
私は彼のために外科医の夢を捨て, 胃に穴が開くほど尽くしてきたのに, 彼の心には最初から私なんていなかった.
私は震える手で, 六十七回目の結婚式の予約を取り消した.
「さようなら, 直哉. 今度は私があなたを捨てる番よ」
私はウェディングドレスをゴミ箱に捨て, 戦火の舞う国際医療援助の最前線へと旅立った.
章一覧
全10章
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