あらすじ
小林静は吉田家に十九年間育てられた偽りの令嬢で、本物の令嬢・吉田絢子の身代わりとして、一度も顔を合わせたことのない死にかけの男・近衛悠真と結婚させられた。
孤児となった彼女が惨めな人生を送ると思われていたが、彼女は姓を小林に改め、一人で立派に生き抜いた。
鷹司暁は海城を代表する権力者で、手段が苛烈で冷酷無情だと囁かれており、身辺にいる幼い息子の母親の素性は最大の謎となっている。
ある日、体調を崩し眠り込んでいた鷹司暁の部屋に女性が踏み込み、彼を一方的に関係を持った。
彼は街中に捜索令を出して犯人を追い求めたが、まさか「犯人」が目の前にいて、しかも自分の息子の担任の先生だったとは思いもよらなかった。
事実が発覚した時、彼は彼女を壁際に追い詰め顎を掴む。
「小林先生、大胆な真似をしてくれたな」
彼女は長年しまっておいた結婚証明書を取り出し、言い返す。
「私があなたと関係を持ったのは、正当な夫婦だからだ」
それをきっかけに、彼は彼女を骨まで愛し、何もかも甘やかし尽くすようになる。
街中の女性たちは嫉妬に狂い、陰口を叩く。
「小林静は計算高いわ。鷹司家の坊やの継母になるため、わざわざ幼稚園の先生になったのよ」
「名家の継母なんて簡単な立場じゃない。一ヶ月も経たないうちに鷹司家から追い出されるに一票」
翌日、小林静は SNS に親子鑑定の結果画像を投稿し、一文を添えた。
「申し訳ない、血のつながった実の親子です」
章一覧
全150章
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