あらすじ
結婚三年。雨宮瑛人の態度は常に氷点下。対する神楽涼子は微笑みを絶やさず、完璧な妻として献身を貫いた。
圧倒的非対称。この歪な婚姻は、彼女の兄の「手」を代償に手に入れた鎖。
無償の愛。いつか彼の鉄壁を崩せると信じていた。だが、彼の胸の奥に君臨していたのは――別の女。
結婚記念日。凍てつく雪の中、一日待ち続ける涼子。その頃、彼は思い出の棲家で愛人の生誕を祝っていた。
涙はない。即座に帰宅。荷物を詰め、離婚協議書に署名。 一切の痕跡を消し、完全逃亡。
周囲の共通認識。瑛人に愛はない。離婚は既定路線。初恋の女との復縁は時間の問題。
沈黙。待てど暮らせど離婚の報せはない。代わりに目撃されたのは――。
孤高にして冷酷。頂点に君臨する絶対君主が、一人の女の足元に縋り付く無様な哀願。「お願いだ、離婚しないと言ってくれ……」
章一覧
全148章
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