あらすじ
父の命を繋ぎ、一族の未来を護るため。彼女は涙を飲み、摂政王への身売りを選んだ。
夫の侮蔑。愛人の嘲笑。姑の陰謀。一族に全てを捧げ、心血を注いだ果てに待っていたのは、長きにわたる寡婦の孤独と、怨嗟に塗れた無惨な死。
散り際に知る、残酷な真実。我が身を削る献身はすべて、他人の幸福を織り上げるための徒労でしかなかったのだ。
転生、覚醒。愚夫を断罪し、愛人を蹴散らし、悪辣な姑を叩き潰す。我を虐げし者どもよ、血の代償を払うがいい。
商才を振るい、巨万の富を築く。父祖の権能を掌握し、誰にも媚びぬ覇道を突き進む。
艶やかな衣を脱ぎ捨て、纏うは鋼の甲冑。彼女は戦場を疾駆する修羅となった。
逆賊を斬り、国境を鎮める。その名は敵国を震え上がらせる悪夢となり、朝廷を揺るがす不滅の伝説と化した。
だが、不可解な事態が一つ。前世で半生を賭して敵対した、あの「稀代の奸臣」が、なぜか執拗に絡みついてくるではないか。
男は不敵に囁く。「夫をすげ替えてはどうだ?侯爵家で虐げられるより、俺の傍にいるほうが余程好都合だろう」
刹那、彼女は悟る。前世における熾烈な攻防――その裏に隠されていたのは、男の深淵なる愛だったのだと。
章一覧
全158章
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