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チャプター 2 ゴミ捨て場

二年後……

愛車を駐車場へと止めると、いつも朝の8時だった。ピンク色のクマのキーホルダーのある鍵を茶色のチノパンから取り出し、アパートの105号室を開けた。 傘立てが占める玄関で作業靴を脱いで部屋へと入ると、缶ビールをキッチンの冷蔵庫から取り出し、テレビを点けた。

「お早うござます! 云話事町TVです!」  いつもの美人のアナウンサーの声を聞き、ニュース番組が始まる。  背景にはここA区という場所の街並みが見渡せる。  健やかな日差しが降っている。 「今日は晴れ。昨日の曇り空がまだ残っていますが、きっと晴れるでしょうッス! ところで、今日も云話事町A区にお住まいの云話事町新教会の教祖。藤元 伸二さんです。どうぞ!」 「はい。藤元 伸二です。誰か私と一緒に宗教しましょうよー!!」  そう叫んだ藤元は20代半ばで、後ろだけ長い黒髪をしている。前髪は均等におでこで真一文字、色白の肌にメガネを掛けた男だ。背格好は小柄に見える。安物の白いTシャツと黒のオーソドックスなズボンに白のスニーカー。  片手に神社なんかでお祓いをする棒(大幣 だいへい)を持っている……。 「はい! 信者の勧誘はそこまでです!」  美人のアナウンサーが眉間の皺を気に出来ないほどに微笑む。 「だって、誰も入ってくれないだもん。僕の宗教……そんなに不気味?」  藤元は頭を垂れる。  後ろにはちょっとした人だかりが出来ていて、その中から笑い声がする。 「そんなことより!!」  アナウンサーは一変し微笑みながら。 「今日のお天気は!!」 「きっと、晴れですね。お日様見えますから……」 「今日の運勢は!!」 「はい。昨日の夜空に凶星が有りました。それは、1000年に一度しか見えない星です。みなさん……とても大変な日になります。気を付けて下さい……」 「え!?」 「財布を落としたり……ドブに靴を落とさないようにしましょう」 「小さい!!」  美人のアナウンサーが手に持ったマイクで、藤元の頭を叩く……。

テレビを消すと、自然と疲れがでてきてベットへとダイブしに寝室へと行く。  目覚まし時計を17時にセットする。朝食と昼食は取らない。 「今日もお疲れ様」 そう自分に言い聞かせた。

「わん!」  スケッシーの頭を撫でる。年中発情期な特殊な犬だった。道端でメスとじゃれ合って空腹で倒れていたところを私が助けた。  以来、私に懐いている。 「わん! わん!」  スケッシーが空腹を訴える。 「もうこんな時間か」  私は格安で購入した黒のパイプベットから起き上がり、目覚まし時計を見た。  時間は17時少し前だ。 「腹減ったな」  私は目覚まし時計を消してキッチンへと行き。今朝買ったコンビニ弁当を広げた。 「今日はパスタ」  スケッシーが尻尾を振って私にまとわりつく。 「うん。うまいな」 「わんわ。わん」  スケッシーが床に置いてある。ドックフードの塊に顔を埋める。  いつものテレビゲームをやるため座って本体の準備をした。その間、スケッシーは、テレビに向かって胡坐をしている私の膝の上に寝そべる。  今日は昨日よりもハイスコアを狙いたい。  テレビ画面に見入っていると、電話がなった。 「もしもし」  私は電話の受話器を持ち、片手で銃の形をしたコントローラーを操作した。勿論目線はテレビ画面だ。 「やあ。夜鶴くん。明日の火曜日は休んでくれないか」  工場リーダーの田場さんだ。 「ええ。いいですよ」  私は二つ返事で答えた。当然目線はテレビ。頭の半分はテレビゲームの(ガンシューティングだ)スコアが埋める。 「その日は丁度ゴミの日ですし」 「そうか。我々夜勤隊の天敵はそういったものだよな」 「ええ。毎回苦労しますよ」 「本当にな。でも、やっぱり給料がいいから仕方のないことだよ。じゃ、よろしくね」 「御疲れ様でした」  私は電話を切ると、丁度テレビゲームのスコアが昨日よりも少し上がっているところだった。

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読み進めると物語が続きます。

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章一覧

全51章

  1. 第1章チャプター 1 プロローグ
  2. 第2章チャプター 2 ゴミ捨て場
  3. 第3章チャプター 3 アルバイト

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