あらすじ
聖なる夜、外は扉を閉ざすほどの深い雪に覆われていた。
私と祖母は、まるで不要なゴミ袋のように、冷酷な叔父の手によって凍てつく雪の中へと投げ捨てられた。
叔母からは疫病神と酷く罵られ、叔父の容赦ない蹴りが私の鳩尾に深く突き刺さる。
吹き荒れる吹雪の中で膝をつき、次第に冷たくなっていく祖母の身体を必死に抱きしめた。手のひらに爪が食い込むほどの痛みを覚えながら、今夜ここで間違いなく命が尽きるのだと絶望の淵に沈んでいた。
その時、目を射るような強烈なヘッドライトが、唐突に漆黒の闇を切り裂いた。
外交官ナンバーを掲げたロールスロイスの車列が、音もなく貧民街の路地口を完全に封鎖したのである。
年老いた執事が、四十年間「盲目」として生きてきたはずの祖母の前に真っ直ぐに歩み寄り、恭しく片膝をついた。
「高貴なる一族の第一公女殿下、お迎えが遅れましたことをどうかお許しください」
章一覧
全12章
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