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塩対応な夫の本性は、秘書限定の溺愛わんこでした。

塩対応な夫の本性は、秘書限定の溺愛わんこでした。

  • 全28章
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あらすじ

会社のソファで夫の帰りを待つ間、何気なく数秒の短い動画を開いた。

節くれだった男の左手を、か細い指先が絡め取る。そこには、えも言われぬ艶やかさが漂っていた。

動画に添えられた、少女の甘い独り言。

「仕事の話に耽る大人たちの影で、密かに手を伸ばしてみた。 仕事ではあんなに理性的で冷静な彼が、私の前では理性を失ってしまうなんて」

私は微笑んで、その動画に「いいね」を送った。

「ねえ、最近の若い子ってこういう『俺様社長』ものが好きみたい。あなたのような社長も、商談中にこっそり手を繋いだりするのかしら?」

夫は顔を上げることさえせず、淡々と「そんなものばかり見るな」と告げるのみだ。

冗談めかして聞いたものの、私の知る夫がそんな真似をするはずがないと確信していた。

結婚して5年。彼はいつも、接待の場では私を控室へ追いやってばかりだ。ドラマのような甘い展開など、一度もありはしない。

ふと、動画の中の手に目が留まる。そこにはパテック・フィリップの腕時計。

それは、結婚記念日に私が夫へ贈ったものと、寸分違わぬ逸品であった。

章一覧

全28章

  1. 第1章第1章
  2. 第2章第2章
  3. 第3章第3章

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