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長老は慌てふためきながら何度も許しを乞うたが、もう私の心を動かすことはできなかった。

私はもう、あの頃のような純粋で心優しいエラーではなかった。

かつて、ロウウェンの愛情に満たされ、幸せに包まれていた私自身は、子どもたちの死とともに消えてしまったのだ。

あの夜、私は子どもたちを腕に抱え、ひとりで部族の境界を越え、最も遠い荒れた山へと向かった。

満月が空に輝き、銀色の光が雪原を照らしていた。それはまるで薄い霜のようだった。

私は焚き火を起こし、子どもたちをそっと炎の中に送り込んだ。

灰が舞い上がる中、月に向かって一晩中、月神に捧げる祈りの歌を歌い続けた。

それはかつて、私の母が幼い私に歌ってくれたものだった。

一節一節が、月神に迷える幼き狼の魂をその光に包まれる聖なる森へ導いてくれるよう祈る言葉だった。

私は夜明けまで歌い続け、声が枯れ、もう声を出すことができなくなるまで歌い続けた。

翌朝、長老は子どもたちの骨灰を納めた玉の壺を私に手渡した。

彼は尋ねた。 「月神の埋葬儀式を待たずに行くつもりか?」

私は胸に抱く玉の壺をぎゅっと抱きしめ、首を横に振った。

「必要ないわ。 子どもたちの狼の魂は、すでに月神のもとへ戻った。 儀式は、ただ生き残った狼たちの慰めに過ぎない。」

「私はただ、早く北境に戻りたい。私の故郷へ帰りたいの。」

長老は口を開きかけたが、結局何も言わず、ただ頷いて背を向けて歩き去った。

彼の歩みは重く、背中は今にも押しつぶされそうに曲がっていた。

私は最後に自分の住処に戻り、少し荷物をまとめることにした。

木の扉を押し開けた瞬間、目に飛び込んできたのは、ロウウェンとヴェイラだった。

二人は寄り添うように私のベッドに横たわり、私が手ずから敷いた獣毛の敷物は無残にも乱れていた。

部屋の中には濃厚な獣の匂いが漂っていた。

ヴェイラは手に月光石のネックレスを弄びながら、くすくすと笑い、ロウウェンの胸にもたれかかっていた。 「聞いたことある?この白狼の血で浸した月光石は、安産を助けるだけじゃなくて、特別な幸福をもたらすらしいわよ〜」

ロウウェンは低く笑い声を漏らし、その胸が震えた。 彼はヴェイラを引き寄せ、耳元で囁いた。

「今すぐ試してみようか?」

そう言い終えると、二人は親密に身を寄せ合った。

その場の空気が一変する中、私はただ、入り口に立ったまま、全身が冷え切っていくのを感じていた。 それはまるで、氷の洞窟に突き落とされたかのようだった。

あれは、私の子どもたちの命の血で浸した月光石だというのに!

体の中で狼雪月が怒りの咆哮をあげた。

私は二人の寄り添う姿を見つめながら、拳をぎゅっと握りしめた。

その手のひらには、深い爪の痕が刻まれていた。

ロウウェンが何かに気づいたかのように、突然顔を上げ、私を見た。

一瞬驚いた表情をしたが、すぐにそれは得意げな表情に変わった。

彼はヴェイラから体を離し、悪びれもせずに私の前に歩み寄ってきた。

鼻でフンと息を吐く。

「やっと戻ってきたのか? お前が抱えているそれはなんだ?汚いものを持ち込むな。 警告しておくぞ、狼を弱らせる毒を使ってヴェイラを害そうなんて思うなよ。」

私はその言葉に、まるで胸をえぐられたかのような痛みを覚えた。

私と彼の子どもたちの骨灰が、汚いものだと言うの?

ヴェイラが来る前、ロウウェンと私は子どもたちの誕生を心から楽しみにしていた。

あの時、彼は私のお腹に耳を当て、中の音を聞きながら、顔を上げて微笑んだ。 その目はまるで月のように細く弧を描いていた。

私は彼の胸に寄り添い、お腹の中で元気に動き回る二人の子どもたちを感じていた。

その瞬間、私は思った。これこそが、私が黒石の集落に留まる全ての意味だと。

家族がいて、愛する伴侶がいて、可愛い二人の子どもがいる、それだけで十分だった。

でも今、そんな過去を思い出すたびに、胸の中で嘲笑が渦巻くだけだった。

私は二歩後ずさりし、彼が伸ばした手をかわした。そして冷たく言った。

「ロウウェン、私たちの運命の絆を解消するわ。」

ロウウェンは冷笑を浮かべ、強い口調で言い放った。

「それで脅すつもりか? そんなことはあり得ない!」

「エルダーを丸め込んで俺を脅そうとしても無駄だ。 俺がヴェイラの子どもたちではなく、お前が産んだ二匹の狼の子をパックの後継者として認めるとでも思うのか?」

「今朝エルダーが俺に言ったんだ。お前の産んだ二匹しか認めないと。ヴェイラの子どもたちは認めないってな。」

「ならば、」ロウウェンはそばで笑うヴェイラを引き寄せた。

「その二匹の狼の子はどこだ? 今すぐここに連れてこい。 お前の目の前で、ヴェイラを母と認めさせる!」