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片思いの代償

片思いの代償

  • 全27章
  • 3章読めます

あらすじ

高遠湊を諦めてから、十八日。

有栖川詩織は、腰まであった長い髪をばっさりと切った。

そして父に電話をかけ、福岡へ行き、慶應大学に通う決意を告げた。

電話の向こうで驚いた父は、どうして急に心変わりしたんだと尋ねてきた。

お前はいつも、湊くんと一緒にいたいと言って、横浜を離れようとしなかったじゃないか、と。

詩織は無理に笑ってみせた。

胸が張り裂けるような、残酷な真実を打ち明ける。

湊が、結婚するのだと。

だからもう、血の繋がらない妹である自分が、彼にまとわりついていてはいけないのだと。

その夜、詩織は湊に大学の合格通知を見せようとした。

けれど、彼の婚約者である白石英梨からの弾むような電話がそれを遮った。

英梨に愛を囁く湊の優しい声が、詩織の心を締め付けた。

かつて、その優しさは自分だけのものだったのに。

彼が自分を守ってくれたこと、日記やラブレターに想いのすべてをぶつけたこと、そして、それを読んだ彼が激昂し、「俺はお前の兄だぞ!」と叫びながら手紙をビリビリに破り捨てた日のことを、詩織は思い出していた。

彼は嵐のように家を飛び出し、詩織は一人、粉々になった手紙の破片を painstakingにテープで貼り合わせた。

それでも、彼女の恋心は消えなかった。

彼が英梨を家に連れてきて、「義姉さん、と呼べ」と命じたときでさえ。

でも、今はもうわかった。

この燃え盛る想いは、自分で消さなければならない。

自分の心から、高遠湊という存在を、抉り出さなければならないのだ。

章一覧

全27章

  1. 第1章第1章
  2. 第2章第2章
  3. 第3章第3章

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