あらすじ
十年にわたる恋愛、1314回もの結婚式準備。しかし彼は毎回姿を見せなかった。
幼なじみが何も言わずに帰国して以来、私の結婚式は爆弾を抱えたような状態になった。
彼女は決まって挙式前日に騒ぎを起こし、そのたびに彼は私を置き去りにする。
今回もそうだった。彼女が指先を切って血を少しこぼしただけで、
彼は慌てて信号を無視しながら救急病院へ直行し、医者に全身くまなく調べろと迫るほどだった。
一方の私は、招待客たちの嘲笑まじりの視線にさらされながら、彼からはただ気の抜けた言葉をかけられるだけ。
「どうして今日じゃなきゃダメなんだ? どうせこれまでも何度も中止してるんだし、来週末にすればいいだろ。」
「彼女は血を見ると気を失うんだ。そばにいてやらないと……君ならわかってくれるだろ。」
彼は幼なじみへの思い出を口実に、何でも彼女の言いなり。私には冷たく、無関心。
正直なところ、この結婚は彼でなければならない理由なんてなかった。
だから1314回目のすれ違いのとき、私は予定通り結婚式を挙げた。――ただし、新郎は別の人だった。
章一覧
全29章
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