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夫の親友に、略奪される。

夫の親友に、略奪される。

  • 全186章
  • 3章読めます

あらすじ

学生時代の制服から、純白のウェディングドレスへ。神谷亜実と周防年彦は十年の長きにわたり愛を育み、誰もが羨むような理想のカップルだった。

完璧な夫を射止めたと、世間の誰もが口を揃えた。亜実を大切に守り、宝物のように慈しむ年彦の姿は、周囲の羨望の的であったのだ。

だが、一途で深い愛情を注ぐあの完璧な夫が、とうの昔に外で愛人を囲っていたことなど、誰も知る由がなかった。

残酷な真実が白日の下に晒されたとき、亜実は離婚協議書を静かに彼の前へと差し出した。「十年間の愛は、ここで終わり。……年彦、あなたにはもう、私の隣にいる資格なんてないわ」

未練すら見せずにきびすを返した彼女は、気づいていなかった。部屋の暗がりで、有馬理玖の唇が微かに弧を描いたことに。

彼はひそかに、誰よりも深く、十一年の長きにわたって亜実を愛し続けていたのである。

ふたりの結婚式の日、付添人として参列した彼は、愛する女性が別の男のためにウェディングドレスを身にまとう姿をただ見つめるしかなかった。その無邪気な笑顔は、直視できないほどに眩しく、彼の心を切り裂いた。

狂おしいほどの嫉妬で、どうにかなってしまいそうだった。

――結婚したからといって、それがどうした?

いつか必ず、彼女を自分のものにする。自分だけのものにしてやる!

離婚後、亜実は司会者としてのキャリアに己のすべてを注ぎ込んだ。彼女の仕事ぶりは次々と国際的な舞台で絶賛され、まばゆいばかりの輝きを放ち始める。

一方、美しく羽ばたいた彼女が、あろうことか自らの親友の腕の中に飛び込んでいくのを目にした年彦は、血走った瞳で凄んだ。「あいつが、お前を唆して離婚させたのか?」

だが理玖は、余裕すら感じさせる足取りで歩み寄り、亜実を背後へと庇うように立ちはだかった。「お前が彼女に相応しくなかった。ただそれだけのことだ。 最初から最後まで、彼女は俺のものになる運命だったんだよ」

章一覧

全186章

  1. 第1章第1章愛人
  2. 第2章第2章浮気されただけ
  3. 第3章第3章対立

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