あらすじ
母の告別式の日、私は夫である鷹司暁が来てくれることを心のどこかで信じていた。
しかし、彼が「重要な海外役員との会議」だと言っていたその時、ネットには彼が幼馴染のために東京湾を貸し切って誕生日パーティーを開く姿が拡散されていた。
親族から嘲笑されながら一人で喪主を務める私に、彼は顔を見せる手間さえ惜しみ、香典袋一つを秘書に届けさせただけだった。
ようやく火葬場に現れた彼は、遅れた理由をその女のせいにして庇い、私には面倒くさそうに言い放った。
「こんな場所で騒ぐな、みっともない」
三年間、ただの飾り物として従順な妻を演じ、彼の子を身籠っていた私の淡い期待は、この瞬間に粉々に砕け散った。
私は離婚届と中絶同意書を残し、彼の前から完全に姿を消した。
五年後、身分を偽りパリでトップオークショニアとなった私の前に、彼が再び現れた。
章一覧
全60章
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