あらすじ
結婚三年目の記念日、小松原静は特注のケーキを抱え、夫が待つはずのスイートルームのドアの前に立った。
僅かに開いたドアの隙間から見えたのは、静が彼に贈った限定品のネクタイと、見知らぬ女の黒いランジェリーが絡み合う光景だった。
夫の鷹司暁は、最近話題のモデルを抱き寄せ、冷酷に言い放った。
「あれはただの家のための政略結婚だ。感情などない」
静は怒鳴り込むこともなく、ただ証拠の写真を撮って離婚協議書を突きつけた。
しかし、鷹司グループの当主である暁は、分厚い書類を無残に破り捨てた。
彼は静をベッドに力任せに押さえつけ、冷酷な声で妻としての「跡継ぎを産む義務」を強要する。
さらに彼女のクレジットカードを止め、会社での役職すら剥奪し、孤立無援にして徹底的に服従させようとした。
たかが代用品の女のために妻を踏み躙り、どこまでも傲慢に振る舞う夫。
なぜ彼は、静が四年前、彼を庇った事故で子宮を失い、二度と子供を産めない身体になったことを知らないまま、これほど残酷になれるのか。
極限の絶望の中、静の瞳に冷たい炎が宿る。
「鷹司暁。今の私にとって、あなたは死んだ人間以下よ」
権力と尊厳を賭けた、静の壮絶な反撃が今、始まる。
章一覧
全60章
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