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第1章 史上最も刺激的な新婚初夜

本田瞳は、史上最も刺激的な新婚初夜を過ごした。

どれほど刺激的だったか?

弁護士が、結婚証明書と離婚協議書を同時に彼女の目の前に突きつけたのだ。

「本田さん、サインを」

午後に籍を入れたばかりだというのに、その夜には離婚協議書にサインを迫られる。理由はただ一つ――彼女が醜いから。

お見合いの席で、この名ばかりの夫は彼女を遠目に一瞥しただけで、怒って立ち去ってしまった。二人は未だ、正式に顔を合わせたことすらない。

婚約は両家の祖父が決めたものだった。彼はそれに逆らえなかったものの、新婚初夜に、離婚の期日を一方的に突きつけてきたのだ。

しかし、彼が知らないことがあった。

瞳は北辰生命科学研究所の秘密裏に活動する中核メンバーであり、ある遺伝子修復薬をチームで研究開発していた。そして、彼女自身がその薬を試したのだ。

薬の副作用により、彼女の肌はくすみ、顔立ちはむくみ、美貌は見る影もなくなっていた。

だが、これらはすべて一時的な症状に過ぎない。30日後に薬が完全に代謝されれば、容姿も元に戻るはずだった。

ちょうどお見合いの日はその代謝期間中だった。瞳は直接彼に説明しようとしたが、彼は彼女に話す機会すら与えなかった。

だが、今となってはそれも必要ない。どうせ彼女も、祖父の遺言を果たすために嫁いできただけなのだから。

そう思いながら、瞳は協議書にサインした。

「本田さん、離婚協議書は一年後に効力を発します。ご主人様は、あなたが離婚を望んだとご年長の方々にお伝えいただきたいと。これ以上爺さんと揉めるのは御免だとのお言付けです」

「わかった」

「ご主人様は、この屋敷とこのカードをあなたへの補償だと言っています」

弁護士は黒いカードをテーブルに置き、結婚証明書と離婚協議書を鞄にしまった。一年後、離婚を正式に成立させるための必要書類だ。

瞳は心の中で少し可笑しく思った。一度嫁いだというのに、結婚証明書の中身すら見ていないのだ。

「ご主人様は、婚姻期間中、この屋敷以外であなたを見たくないとも伝言を預かっています。また、あなたたちの結婚を他人に知られることも望んでいません。もし破れば、屋敷もカードも取り上げると。本田さん、くれぐれもご留意を」

そう言い終えると、弁護士は去っていった。

瞳は怒りで震えた。あのクズ男、まだ彼女の自由を制限するつもりだ。だが、彼に囚われるなど、彼女が甘んじて受け入れるはずがない。

使用人には邪魔をしないよう言い含め、彼女は寝室に戻ってシャワーを浴び、服を着替えた。そして裏窓から庭に飛び降り、監視カメラを避けながら塀を乗り越えて外に出た。

一時間後、天楼閣の入り口。

瞳はタクシーから降り立った。青地に小花柄のロングドレスに、天然の微かなウェーブがかかった長い髪。その姿は優雅さと華やかさを兼ね備え、通り過ぎる人々は皆、驚嘆の眼差しを彼女に注いだ。

瞳は親友の荒木いちかと個室で会う約束をしていたのだ。

ドアを押してロビーに入った時、ちょうど黒いスーツを着た豊田湊が正面から歩いてきた。

彼は背筋を伸ばし、顔立ちは彫りが深く、その眼差しは気だるげに見えながらも、周囲に張り詰めた圧迫感を与えていた。後ろには秘書と数人のボディガードが続き、一目でただ者ではないとわかる。

瞳は数歩横に寄り、礼儀正しく道を譲った。

しかし、彼の体は突如として硬直し、その瞳に苦痛の色が浮かんだ。端正な顔から、みるみる血の気が引いていく。

瞳が反応する間もなく、彼は彼女の目の前で倒れた。

「豊田様!」

秘書とボディガードが慌てて駆け寄り、救急車を呼んだ。

現場は騒然となった。

医者である瞳に、見殺しにするという選択肢はなかった。

彼女の観察によれば、彼の状態は極めて危険だった。すぐに処置を施さなければ、救急車が到着する前に命を落としかねない。

瞳は素早く跪き、彼の襟元のボタンを外した。

秘書はその行動に驚き、彼女を制止しようと手を伸ばした。「何をするんだ?」

「私は医者です!」

瞳の声は冷静で明瞭、有無を言わせぬ力があった。「全員、下がって。風を通して!」

秘書は彼女を数度見つめ、ためらいながらも手を引いた。

周囲も、思わず数歩あとずさった。

瞳はまず彼の脈を取り、発作の原因を特定すると、彼のボタンをすべて外し、両手のひらを彼の腹部に当て、落ち着いた力でマッサージを始めた。

彼の腹筋は引き締まり、くっきりと八つに割れていた。その一つ一つが力強さを物語っている。その上に、華奢で滑らかな少女の手が往復するように揉み動く。その光景は、周囲の目には言いようのないほど艶めかしく、官能的に映った。

突然、瞳は彼のベルトを外し、彼のズボンをずり下げた。

現場に、一斉に息を呑む音が響いた。「何をするつもりだ?」 「閻魔にまで手を出すなんて、命知らずか?」

秘書の顔色が変わった。「人払いだ!今すぐ全員、外に出せ!」

続きを読みますか?

読み進めると物語が続きます。

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章一覧

全127章

  1. 第1章第1章 史上最も刺激的な新婚初夜
  2. 第2章第2章 公衆の面前で、あの閻魔様が穢された
  3. 第3章第3章 この忌々しい偽りの結婚なんて、一日たりとも守りたくない

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