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義理の妹である理乃に薬を盛られ、見知らぬ男と狂ったような一夜を過ごした後、染谷莉世は下半身を引き裂かれるような激痛と割れるような頭痛の中で目を覚ました。

混乱した頭で薄いシーツを体に巻き付け、誰もいない部屋で一体何が起きたのかと思考を巡らせていたその瞬間。

ホテルの扉が轟音とともに蹴り開けられ、理乃が実の父親と大勢の記者を引き連れてなだれ込んできた。

「お父様、ここよ! 私、この目で見たんだから!」

無数のフラッシュが、ベッドの上でシーツを死に物狂いで握りしめる莉世の青ざめた顔を容赦なく撃ち抜いた。

「お、お父様……?」

血走った目で立っていたのは、実父の板倉雅也だった。

その後ろには、継母の真鍋静江と、この地獄を仕組んだ張本人である義妹の島村理乃が立っている。

雅也は後妻である静江を溺愛しており、彼女が前夫との間に儲けた連れ子の理乃を実の娘以上に甘やかしていた。

逆に、亡き前妻の面影を残し、性格も倔強な実の娘の莉世を疎ましく思っていたのだ。

雅也は大股でベッドに歩み寄ると、一切の躊躇なく、莉世の頬を全力で張り飛ばした。

パァンッ!!

乾いた破裂音が室内に響く。

莉世の華奢な体はベッドに叩きつけられ、口の中に生臭い鉄の味が広がった。

「この恥知らずが! 板倉家の名をここまで汚すとは、一体どういうつもりだ!」

雅也の怒声が頭蓋骨を揺らす。

「違う……お父様、聞いてください。私は罠に……」

莉世が弁解しようとした矢先、理乃が父親のそばに歩み寄り、その腕をなだめるように撫でた。

「お父様、どうかお怒りを鎮めて……」

そして、理乃は振り返り、莉世を責め立てるように言った。

「お姉様、板倉家はどんなに落ちぶれても、お姉様が一生不自由なく暮らせるくらいのお世話はできたはずよ」

「それなのに、お父様の顔に泥を塗って、こんなふしだらな真似をするなんて!」

その言葉は、すべての泥を莉世一人に被せるものだった。

莉世は喉が詰まり、ハッとあることに気づいて信じられない思いで理乃を睨みつけた。

「理乃、何をでたらめな……私を嵌めたのはあなたでしょう!?」

莉世は父親に視線を向け、一縷の望みにすがった。

「お父様、理乃が私を罠にかけたんです!」

しかし、雅也は激怒して再び莉世の頬を平手打ちした。

彼女の美しく整った顔が横に弾かれ、必死に堪えていた涙がこぼれ落ちる。

「いい加減にしろ!」

雅也は指を突きつけて怒鳴り散らした。

「自分がしでかした過ちを、妹になすりつけるとは。お前には心の底から失望した」

「今日限りで、板倉家にお前のような娘はいない!」

「お父様! 私を少しも信じてくれないの!?」

雅也は莉世の絶望に満ちた叫びを完全に無視し、背を向けて記者たちの対応に回った。

その隙を突き、理乃がベッドサイドに近づいた。

涙ぐんでいたはずの瞳には、毒蛇のような嘲笑が張り付いている。

彼女は莉世の耳元に顔を寄せ、地を這うような陰湿な声で囁いた。

「お姉様、あなたにもこんな日が来るなんてね」

莉世は全身を震わせ、唇を強く噛み締めた。

「どうして……こんなひどいことを!」

理乃はさらに顔を近づけ、その本性を露わにした。

「こうでもしないと、お父様はあなたを見限らないでしょう?」

「お母様が血と汗の結晶として遺した『ヴィーナス・ジュエリー』が、このままずっとあなたのものだとでも思っていたの?」

莉世の顔から血の気が完全に引いた。

莉世の惨めな姿を瞳に映し、理乃はさらに得意げに笑う。

「あなたは生まれながらに高貴な、板倉家の箱入り娘だったわね」

「私がただの連れ子だとしても関係ない。今のあなたは、その連れ子以下の這いつくばるゴミよ!」

理乃はスマートフォンをかかげ、勝ち誇ったように言った。

「莉世、一生私に勝てると思わないで。身の破滅という結末を、せいぜい楽しむことね!」

莉世が理乃の胸倉を掴もうとした瞬間、屈強な黒服の男たちに両腕を死に物狂いで捻り上げられた。

「つまみ出せ!」

服を着る暇すら与えられず、莉世は薄いシーツ一枚を体に巻き付けただけの姿で、ゴミのようにホテルから引きずり出された。

土砂降りの雨が、板倉邸の閉ざされた鉄門の前に立ち尽くす莉世を容赦なく打ち据えていた。

冷たい泥水が彼女の赤足と、雨に濡れて肌に張り付くシーツを無残に汚していく。

ふと顔を上げると、二階のバルコニーで、理乃がレースの傘を差し、優越感に満ちた笑みで見下ろしていた。

その手首には、莉世の亡き母が遺した瑪瑙のブレスレットが光っている。

莉世は拳を強く握りしめた。

爪が手のひらに深く食い込み、鮮血が雨水に混ざって滴り落ちる。

彼女のすべてが、あの母娘に奪われたのだ。

水しぶきを上げて一台の車が止まり、親友の萩原芽穂が血相を変えて駆け寄ってきた。

「莉世! しっかりして!」

温かいコートに包まれ、車内に押し込まれる。

遠ざかる板倉邸を見つめながら、莉世の瞳からすでに涙は消え失せていた。

残っているのは、氷のように漆黒の憎悪だけ。

数時間後、成田空港。

海外行きの航空券を死に物狂いで握りしめた莉世は、芽穂に向かって低く、しかし無類の決意を込めた声で宣告した。

「奪われたもの、すべてを取り戻すまで……私は絶対に屈しない」

「あの二人の女を、必ず私の手で地獄へ引きずり落としてやるわ」

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読み進めると物語が続きます。

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章一覧

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  1. 第1章第1章
  2. 第2章第2章
  3. 第3章第3章

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