あらすじ
婚約者には双子の弟がいた。
この一年、私がベッドを共にしてきた男は、婚約者ではなかった。
私が愛した男は、ただの役者、影武者だったと知った。
本当の婚約者、一条蓮(いちじょう れん)は、義理の妹である香織(かおり)と密かに結婚していたのだ。
彼らの計画は、単なる入れ替わりよりもずっとおぞましいものだった。
私を双子の弟と結婚させ、その後「事故」を装って私の角膜を香織に移植するという、血も涙もない計画。
私がその陰謀に気づくと、香織は私に暴行の濡れ衣を着せた。
私を守ると誓ったはずの蓮は、私が床に血を流して倒れるまで、鞭で打たせた。
そして香織は蓮の祖父を殺害し、その罪を私になすりつけた。
彼はためらうことなく、私を精神病院に放り込み、朽ち果てさせようとした。
彼は一度として、彼女の嘘を疑わなかった。
五年間愛していると言い続けた女を、いとも簡単に捨てたのだ。
でも、彼らは一つ忘れていた。
私はただの遠野詩織(とおの しおり)、無力な孤児ではない。
私は西園寺暁(さいおんじ あきら)。
巨大財閥の令嬢なのだから。
あの地獄から救い出された後、私は自分の死を偽装し、姿を消した。
そして今、私は戻ってきた。
新しい人生を、今度こそ自分のために生きるために。
章一覧
全20章
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