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チャプター 2 あんなに完璧な顔立ちなのに、盲目だなんて

神崎結月の頭の中でガーンと音が鳴り、神崎結月は慌てて銃を隠した。

彼女は自ら九条朔夜に近づき、彼の立場を利用して伯父一家に対抗しようと考えていた。だが、この新婚初夜はまるで裏取引のように淀んだ空気を孕んでいた。身の安全を確保するため、護身用の武器を仕込んでおいたのだ。

まさかこんなに早くバレてしまうとは。

幸いなことに、朔夜は足が不自由なだけでなく目も見えない。結月は恐る恐る探りを入れた。「……その、目は本当に見えないんですか?」

朔夜は無駄口を惜しむように唇を開いた。「ああ」

結月はホッと息をなでおろし、万が一に備えて銃を握り直し、こっそりと銃口を彼に向けた。

朔夜:「……」

おもちゃの銃から値札がはみ出しているぞ——そう指摘してやりたい衝動を、朔夜は面倒くさそうに押し殺した。

だが、少しばかだった方が都合がいい。これ以上探りを入れる手間が省けるというものだ。

朔夜はこれ以上時間を無駄にする気はなかった。車椅子を動かして背を向けると、「夜も遅い。好きにしろ。俺に触れるな、黙っていろ」と冷く告げた。

結月は訳がわからなかった。

(処女かどうか確認するのではなかったのか? なぜ急に見逃してくれたのだろう?)

(「好きにしろ」とはどういう意味だ。夫婦関係を受け入れたということだろうか?)

結月は聞きたかったが、恐ろしくて聞けなかった。この男は気分屋だと聞いている。もしかしたら次の瞬間には飛びかかってきて首を絞められるかもしれない。とにかく、口数を減らした方が生き延びる確率は上がるはずだ。

彼女はベッドから降りて言った。「お体が不自由なのですから、ベッドで寝てください。私は床で寝ますから」

朔夜は目を閉じた。 「いい」

結月は辺りを見回した。この部屋は豪華だが、まるで放置された別荘のようだ。見掛け倒しで、セントラルエアコンすらない。

彼女は布団にくるまってベッドの端に座り、眠らないように警戒を怠らなかった。だが、夜更けになるとあまりにも寒すぎた。彼女は目を閉じて休んでいる朔夜を見て、体が弱い彼の方が自分よりも寒がりだろうと思った。

結月は少し気の毒になり、そっと彼に布団を掛けた。

朔夜が突然目を開けた。

結月はハッと彼と視線を合わせた。そこで初めて、彼の瞳が普通の人間とは違うことに気がついた。深いブラウンに青みがかっており、色は薄いのに深みがある。生まれながらの威圧感を放っていた。

彼女は一瞬呼吸を忘れ、慌てて言い訳をした。「ご、ごめんなさい、起こしてしまって。あなたが寒いんじゃないかと思って」

朔夜は長年鍛え上げているため、この程度の寒さなど全く気にしていなかった。「そんなに俺が怖いなら、なぜ出て行かない?」

これまでの女たちと同じように土壇場で逃げ出せば、この婚約は無効になるのに。

結月はつばを飲み込んだ。「私が……怖がっているって、どうしてわかるんですか?」

あんなに綺麗で普通の目をしているのに、どうして目が見えないというのだろう。

彼女は明らかに疑っていた。

朔夜は表情一つ変えずに答えた。「ずっと震えているからな」

結月はハッとして下を向いた。すると、自分の指がブルブルと震えて止まらず、しかもちょうど彼の手の上に重なっていることに気がついた。

彼女は気まずそうに手を引っ込め、軽く唇を噛んだ。

結月はここに残る理由を説明した。「私は両親を亡くし、頼れる人がいません。あなたに嫁がなくても、どうせ誰か別の人に適当に押し付けられるだけですから。 私もあなたと同じです。誰がパートナーでも違いはありません。だから、他の選択肢を探す必要はないんです」

朔夜が彼女のそんな戯言を信じるはずもなかった。

だが、この世には腹に一物あるような奴らが多すぎる。確かに、次々と相手をすげ替えるのも面倒だ。彼は再び目を閉じ、ぶっきらぼうにこの話題を終わらせた。

結月には彼の真意が読めなかったが、どうやら誤魔化せたらしいと第六感が告げていた。彼女は再びこの男をまじまじと見つめ、半信半疑で手を伸ばしてヒラヒラと振ってみた。

(本当に見えないのだろうか?)

結月は勇気を振り絞り、拳を握って彼を殴るフリをした。

朔夜は全く反応しなかった。

結月はホッと息をつくと同時に、彼を不憫に思わずにはいられなかった。 ーーこんなに整った容姿なのだから、もし障害がなければ、きっと素晴らしい人生を送れただろうに。

……

結月は無事に朝を迎えた。

朔夜は噂で聞くほど恐ろしい男ではなかった。これでこの結婚も一応は成立したことになる。結月はこの道を選んだ以上、しっかりやり抜こうと決心し、気を取り直して1階へ降り、この家の構造を把握することにした。

この別荘はあちこち埃を被り、家具は古びて使い物にならないものが多かった。冷蔵庫にはレトルト食品や安い半調理品がぎっしり詰まっており、おそらく朔夜が普段食べているものなのだろう。

結月はため息をついた。

(この隠し子のことをそこまで憎んでいるなら、なぜもっとキッパリと決着をつけないのだろう。わざわざこんな場所に飼い殺しにして、生かさず殺さず、苦しめ続けるなんて。)

彼女は時間をかけて慎重に選び、ようやく賞味期限内の食材をいくつか見つけ出した。そして火を使い、温かい朝食を作った。

寝室では、朔夜が監視カメラの映像越しに、結月の一挙手一投足を冷然と見下ろしていた。

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読み進めると物語が続きます。

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章一覧

全95章

  1. 第1章チャプター 1 車椅子の隠し子との電撃婚
  2. 第2章チャプター 2 あんなに完璧な顔立ちなのに、盲目だなんて
  3. 第3章チャプター 3 満足か?

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