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追放された身重の妻は、冷酷な夫を捨てる

追放された身重の妻は、冷酷な夫を捨てる

  • 全70章
  • 3章読めます

あらすじ

「お前のような女から生まれる子供など、考えるだけで反吐が出る」

夫の兄の婚約者が、私の目の前で自ら階段を転げ落ちた。

亡き兄の忘れ形見を失ったと狂乱する夫の暁は、私の弁明など一切聞かず、私を極寒のニューヨークへと無一文で追放した。

その時、私のお腹に彼自身の命が宿っていることも知らずに。

彼は私のカードを止め、国内の連絡先をすべて消し去り、私の退路を完全に断ち切った。

異国で火事に巻き込まれ、早産した私は、保育器の中で息も絶え絶えな娘を救うため、最後の尊厳を捨てて彼に電話をかけた。

「子供を産んだの!暁さんの子供よ!お願い、お金を……!」

しかし、電話に出たのはあの女だった。

「暁さんならシャワーを浴びているわ。誰の種とも分からない子を、彼が認めるわけないでしょう?」

愛する人に完全に見殺しにされた私は、娘のミルクを盗んで警察に捕まるほど落ちぶれ、地獄の底を這いずり回って生き延びた。

あの日、ニューヨークの凍てつく夜の中で、私の彼への愛は完全に死んだ。

三年後。

鷹司家の命令で日本へ連れ戻された私を、夫が暗闇の中で見咎めた。

「……誰だ?」

かつて命がけで愛したその顔を、私は見知らぬ他人のように、ただ冷たく見つめ返した。

――もう、あなたにすがる氷室莉歌代はどこにもいない。

章一覧

全70章

  1. 第1章第1章
  2. 第2章第2章
  3. 第3章第3章

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