あらすじ
桜木瑠衣は五年間、高野明優の名ばかりの妻だった。どれほど尽くしても、彼の心が瑠衣に向くことはなかった。
ついに心が折れた瑠衣は離婚を決意し、明優と彼が想い続ける女性のために身を引いた。
離婚後、瑠衣はかつての夢を追い直し、舞台でまばゆく輝くようになる。そんな彼女を見て、明優は後悔した。
瑠衣を取り戻せるなら、名声も富も捨てていいとさえ思うほどに。
けれど瑠衣はもう、彼しか見えていなかった頃の妻ではない。
その隣には、すでに別の男がいた。明優の異母兄、高野健吾だ。
健吾は瑠衣を腕の中に抱き寄せ、堂々と言い放った。「瑠衣はこれからもずっと、高野夫人だ」
彼女は今も、高野夫人。けれどもう、明優の妻ではない。
章一覧
全53章
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