あらすじ
月川栀は、両親によって桐谷家へ嫁がされ、七年間、夫のためだけに生きてきた。
仕事もない。
自由もない。
外の世界とのつながりもない。
彼女はただ、桐谷凌司の妻として存在していた。
「離婚したい?」
男は冷たく笑った。
「月川栀。いつか君が自分から戻ってきて、俺に謝る日を楽しみにしているよ」
彼女は何も言わなかった。
ただ静かに離婚届を手に取り、その場を去った。
そして――。
数年後。
月川栀は、新薬開発で世界を驚かせる若き研究者になっていた。
医学界が注目する天才研究者。
多くの研究者が憧れる存在。
かつて彼女を見下した人々は、次々と頭を下げる。
そして、彼女がもう自分の手の届かない場所にいることを知った元夫は、必死に彼女の元へ向かう。
「月川栀……君は俺の妻だ」
「俺以外の男を見るな」
しかし、彼女の隣に立つ男が一歩前へ出た。
「あなたは誰ですか?」
「彼女に何か用でも?」
「彼女は、僕の大切な人です」
章一覧
全51章
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