あらすじ
高騰する人件費を惜しみ、中古サイトで買い叩いたのは「三度の返品歴」を持つ人狼。
凶暴、不規、噛みつき魔。売主の警告は、不穏そのもの。
だが、目当てはただ一点。身長190センチ、鋼の筋肉。150キロの荷を軽々と運ぶ、その圧倒的体躯だ。
届いた「商品」は、期待通りの狂犬だった。
異変は深夜。奴は寝室へ忍び込み、熱を帯びた肉体で擦り寄り、私の項を執拗に牙で削る。
歯の生え変わりか、それとも狂犬病か。私は戦慄し、即座に返品を申し出た。
事情を聞いた売主は、長い沈黙の末に口を開く。
「お客様、返品はおすすめいたしません」
「それは歯の痒みではない。人狼が番の項を噛むのは、求愛期にのみ許された『マーキング)』」
「奴は貴方の身体を、種を繋ぐための『苗床』として渇望しているのですよ」
章一覧
全11章
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